熟年離婚を防ぐために――夫婦がもう一度向き合うためのヒント
「子どもが独立したら
離婚しようと思っている。」
「退職後、
一緒にいる時間が増えて
苦痛になった。」
「長年連れ添ったのに、
今さら何を話せばいいのか
分からない。」
近年、
熟年離婚という言葉を
耳にする機会が増えました。
長い結婚生活を送ってきた夫婦が、
50代、60代、
時には70代になって
離婚を選択するケースもあります。
もちろん離婚そのものが
悪いわけではありません。
離婚によって
新しい人生を歩み始める方もいます。
しかし、
「本当は
離婚したいわけではない。」
「できれば関係を改善したい。」
と思いながらも、
どうして良いか分からず
悩んでいる方も少なくありません。
今回は、
熟年離婚が起こる背景と、
夫婦関係を見直すための
ヒントについて考えてみたいと
思います。
熟年離婚は
突然起こるわけではない。
離婚を切り出された側は、
「突然だった。」
と感じることがあります。
しかし実際には、
多くの場合、
何年もの積み重ねがあります。
例えば、
- 話を聞いてもらえなかった。
- 感謝されなかった。
- 一人で家事や育児を担ってきた。
- 気持ちを理解してもらえなかった。
そうした小さな不満が
長い年月をかけて
積み重なっていることがあります。
熟年離婚は突然の出来事ではなく、
長期間のすれ違いの結果として
現れることが少なくありません。
子育てが終わると
夫婦だけになる。
子どもがいる間は、
- 学校行事
- 部活動
- 受験
- 進路
- 家族旅行
など、共通の話題があります。
しかし子どもが独立すると、
夫婦は再び二人になります。
すると、
「そういえば何を話せばいいのだろう」
という状態になることがあります。
これまで子ども中心だった関係が、
突然夫婦中心に戻るからです。
ここで夫婦の距離感が
浮き彫りになることがあります。
定年退職は大きな転機
熟年離婚のきっかけとして
よく挙げられるのが定年退職です。
仕事中心だった生活が終わり、
家で過ごす時間が増える。
すると今まで見えなかった問題が
見えてくることがあります。
例えば、
- 生活リズムの違い。
- 価値観の違い。
- 家事に対する考え方の違い。
- お金の使い方の違い。
などです。
一緒にいる時間が長くなることで、
良い面も悪い面も見えやすくなります。
愛情がなくなったのではなく
会話がなくなった。
熟年夫婦の相談で感じることがあります。
それは、
愛情がなくなったというより、
会話がなくなっている
というケースが
多いということです。
長年一緒にいると、
「言わなくても分かるだろう。」
と思いがちです。
しかし実際には、
人は言葉にしなければ
分からないことがたくさんあります。
感謝もそうです。
労いもそうです。
寂しさもそうです。
伝えなければ相手には届きません。
「ありがとう」が
減っていないでしょうか
夫婦関係が長くなると、
相手がしてくれることを
当たり前に感じることがあります。
- ご飯を作る。
- 洗濯をする。
- 働く。
- 家計を支える。
それが日常になると
感謝を伝えなくなります。
しかし人は、
認められたい
感謝されたい
という気持ちを持っています。
長年連れ添った夫婦ほど、
「ありがとう」
を意識的に伝えることが
大切になることがあります。
相手を変えようとしない。
熟年夫婦の相談では、
「相手のここが嫌だ。」
という話が出ることがあります。
もちろん
不満があるのは
自然なことです。
しかし60年近く生きてきた人を
変えることは簡単ではありません。
それよりも、
「この人はこういう人なんだな。」
と理解する方が
楽になることがあります。
理解と同意は違います。
全てを受け入れる必要はありません。
ただ、
理解しようとする姿勢は関係を
柔らかくします。
夫婦は最後のチームメイト
子どもが独立する。
仕事を引退する。
親を見送る。
人生の後半になるほど、
人間関係は少しずつ変化していきます。
そんな中で夫婦は、
人生を共に歩く最後のチームメイト
になることがあります。
もちろん常に
仲良くいる必要はありません。
しかし敵同士になるより、
味方として生きていく方が
人生は豊かになるのでは
ないでしょうか。
今からでも遅くない。
「もう何十年もこうだったから。」
そう思う方もいます。
しかし関係改善に
遅すぎるということはありません。
小さな会話。
小さな感謝。
小さな気遣い。
その積み重ねが
関係を変えていくことがあります。
劇的な変化ではなくても、
少しずつ
居心地の良い関係を
作ることは可能です。
公認心理師・津村健司
のひとこと
熟年離婚の相談では、
「もっと早く話し合えば良かった。」
という言葉を聞くことがあります。
大きな問題が起きてから
向き合うのではなく、
日頃から小さな気持ちを伝え合うことが、
夫婦関係を支える土台
になるのかもしれません。
長年連れ添ったからこそ、
今さらではなく
「今から」
が大切だと感じています。
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