カウンセリングで気づく「なかなか気持ちが楽にならない時に起きていること」

カウンセリングで気づく「なかなか気持ちが楽にならない時に起きていること」

 

「もう何年も悩んでいます。」

「本も読んだし、

動画も見ました。」

「考え方を変えようとしているのに

楽になりません。」

 

カウンセリングの中で、

このようなお話を

伺うことがあります。

 

悩みが長く続くと、

 

「自分は弱いのではないか」

「何をやっても

変われないのではないか」

 

と感じてしまうこともあります。

 

しかし、

私はこれまで多くのご相談を

お受けしてきて、

 

「気持ちが楽にならない人は

努力が足りない。」

 

ということは

まずないと感じています。

 

むしろ逆です。

 

気持ちが楽にならない人ほど、

一生懸命考えています。

 

真剣に悩み、

自分なりに

解決しようとしています。

 

だからこそ、

苦しさが

長引いてしまうこともあるのです。

 

悩みを

解決しようとすることが

苦しさを

大きくすることがある。

 

私たちは

問題が起きると

解決しようとします。

 

仕事でミスをしたら

改善策を考える。

家電が壊れたら修理する。

体調が悪ければ病院に行く。

 

これはとても自然なことです。

 

ところが

心の問題は少し違います。

 

例えば、

 

「不安になってはいけない。」

 

と思えば思うほど不安になる。

 

「気にしないようにしよう。」

 

と思えば思うほど気になる。

 

そんな経験はないでしょうか。

 

心は

力づくで

コントロール

できるものではありません。

 

そのため、

悩みをなくそうと努力するほど、

逆に悩みに

意識が集中

してしまうことがあります。

 

自分の気持ちを

敵にしてしまう。

 

苦しさが長引く時、

多くの人は

自分の感情と戦っています。

 

不安な自分はダメ。

落ち込む自分は弱い。

怒ってしまう自分は未熟。

 

そんなふうに

感じてしまうことがあります。

 

すると、

 

問題そのものの苦しさに加えて、

 

「こんな自分ではいけない。」

 

という苦しさが上乗せされます。

 

本来は

一つの苦しみだったものが、

二重、三重になってしまうのです。

 

私はカウンセリングの中で、

 

「まずは

そう感じている自分を

認めてみませんか」

 

とお伝えすることがあります。

 

認めることは

甘やかすことではありません。

 

現実を受け入れることです。

 

気持ちは

消すものではなく

理解するもの

 

気持ちが

少しずつ軽くなっていく人に

共通していることがあります。

 

それは、

 

感情を無理に

消そうとしないことです。

 

不安なら、

 

「今、不安なんだな。」

 

悲しいなら、

 

「悲しい出来事だったんだな。」

 

そうやって

自分の気持ちを

理解しようとしています。

 

すると不思議なことに、

感情は

少しずつ

落ち着いていくことがあります。

 

反対に、

 

「不安になるな」

「落ち込むな」

 

と言い続けると、

感情はますます

暴れやすくなります。

 

心は

命令で

動くものではないからです。

 

解決策を探す前に必要なこと

 

相談の中で、

 

「どうしたらいいですか?」

 

という質問を受けることがあります。

 

もちろん解決策は大切です。

 

しかし私は時々、

 

「その前に、

何が一番つらいのか

整理してみましょう。」

 

とお伝えします。

 

なぜなら、

 

自分が

何に苦しんでいるのか

分からないままでは、

どんな方法も

効果が出にくいからです。

 

人間関係なのか。

将来への不安なのか。

孤独なのか。

自己否定なのか。

 

苦しさの正体が見えてくると、

少しずつ進む方向も見えてきます。

 

「変わらなければ」

が自分を追い込む。

 

真面目な人ほど、

 

「今のままではいけない。」

 

と思いがちです。

 

もちろん

成長しようとする姿勢

は大切です。

 

しかし、

 

「早く変わらなければ」

「もっと頑張らなければ」

 

という気持ちが強すぎると、

自分を追い込んでしまいます。

 

変化には時間がかかります。

 

心の回復も同じです。

 

一週間で大きく変わることもあれば、

一年かけて少しずつ変わることもあります。

 

焦るほど

苦しくなることも少なくありません。

 

気持ちが軽くなる瞬間

 

私はこれまで

多くの方とお会いしてきました。

 

その中で感じるのは、

気持ちが軽くなる瞬間は

必ずしも問題が

解決した時ではないということです。

 

仕事の悩みが残っていても。

 

人間関係が

完全に改善していなくても。

 

将来への不安が

なくなっていなくても。

 

「自分は本当は

こう感じていたんだ。」

 

と理解できた時、

人は少し楽になることがあります。

 

理解されることには力があります。

 

そして、

その理解は他人だけでなく、

自分自身からも必要なのだと思います。

 

苦しさには

意味がある。

 

苦しい気持ちは

できれば感じたくないものです。

 

私もそう思います。

 

しかし苦しさは、

心からのメッセージ

であることがあります。

 

無理をしている。

頑張りすぎている。

我慢しすぎている。

本当は助けを求めている。

 

そんなサインを

送っていることがあります。

 

だからこそ、

苦しさを敵にするのではなく、

 

「今の自分は

何を感じているのだろう」

 

耳を傾けてみることも大切です。

 

気持ちが楽になる第一歩は、

 

意外にも

自分の苦しさを理解

することから

始まるのかもしれません。

 

公認心理師・津村健司

のひとこと

 

私はカウンセリングの中で、

 

無理に前向きになる必要はない

とお伝えすることがあります。

 

まずは今の自分を知ること。

そして今の気持ちを認めること。

 

それは

遠回りに見えるかもしれませんが、

結果として

心の回復

につながることが少なくありません。

 

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