カウンセリングで「分かっているのにできない。」を何度も見てきました。

カウンセリングで「分かっているのにできない」を何度も見てきました


「頭では分かっているんです。」

 

相談室で、

この言葉を聞くことは少なくありません。

 

「休んだ方がいいことは

分かっています。」

 

「気にしなくていいことも

分かっています。」

 

「自分を責めても

仕方ないことも分かっています。」

 

そう話される方はたくさんいます。

 

そして、

その後に続く言葉も

よく似ています。

 

「でも、できないんです。」

 

今日は、

相談室で何度も出会ってきた

 

「分かっているのにできない。」

というテーマについて

書いてみたいと思います。

 

分かっているのに

苦しい。

 

実は、

多くの方は

すでに答えを知っています。

 

もっと休んだ方がいい。

 

頑張りすぎなくていい。

 

嫌なことは断ってもいい。

 

自分を大切にした方がいい。

 

そんなことは

本やSNSでも

たくさん見かけます。

 

だから

知識としては知っています。

 

それでも苦しい。

 

それでも同じことを

繰り返してしまう。

 

だからこそ、

 

「分かっているのに

できない自分はダメだ。」

 

と思ってしまうのです。

 

分かることと、

できることは違う。

 

私は相談室で、

この二つを分けて

お伝えすることがあります。

 

分かること。

 

できること。

 

これは同じではありません。

 

例えば、

 

自転車の乗り方を

本で読んでも、

すぐに乗れるわけではありません。

 

スポーツもそうです。

 

仕事もそうです。

 

頭で理解することと、

実際に

できるようになることの間には

距離があります。

 

心の問題も同じです。

 

分かっているからできるとは限りません。

 

できない理由がある。

 

相談を続けていると、

 

「できない理由」

 

が見えてくることがあります。

 

休めない人には、

休めない理由があります。

 

頼れない人には、

頼れない理由があります。

 

断れない人には、

断れない理由があります。

 

例えば、

 

子どもの頃から

我慢することが当たり前だった。

 

弱音を吐くと怒られた。

 

迷惑をかけてはいけないと

思ってきた。

 

そんな経験が

積み重なっていることがあります。

 

そう考えると、

 

「できない」のではなく、

 

「そうするしかなかった。」

 

という見方もできるのかもしれません。

 

自分を責めることが

増えてしまう。

 

問題は、

 

「できないこと」

 

そのものではない場合があります。

 

むしろ、

 

できない自分を責め続けることの方が

苦しいことがあります。

 

「またできなかった。」

 

「何年経っても変われない。」

 

「自分はダメだ。」

 

そうして、

自分との関係が

どんどん厳しくなっていくのです。

 

相談室で見ていると、

この苦しさを抱えている方は

少なくありません。

 

変化は

意外なところから

始まる。

 

不思議なことがあります。

 

大きな変化が起こる前に、

 

「できない

自分を少し許せるようになる。」

 

という変化が

起こることがあります。

 

以前なら責めていた場面で、

 

「今日は

しんどかったから仕方ないか」

 

と思える。

 

以前なら無理をしていた場面で、

 

「少し休もうかな」

 

と思える。

 

そんな小さな変化です。

 

ご本人からすると

大したことではないように

感じるかもしれません。

 

しかし、

相談室では

そうした変化が

大きな一歩になることがあります。

 

カウンセリングは

説得する場ではない。

 

私は、

 

「だからこうした方がいいですよ。」

 

と急いで

結論を出さないようにしています。

 

もちろん提案することはあります。

 

ただ、

それ以上に大切なのは、

 

なぜできないのか。

 

何がその人を苦しめているのか。

 

どんな背景があるのか。

 

そうしたことを

一緒に見ていくことだと思っています。

 

分かっているのにできない。

 

その背景には、

その人なりの理由や歴史があります。

 

私は

そこをとても大切にしたいと思っています。

 

公認心理師・津村健司

のひとこと

 

相談室で何度も見てきたのは、

 

「分かっているのにできない。」

 

と悩む方々です。

 

でも私は、

その言葉を聞くたびに思います。

 

本当に苦しいのは、

できないことではなく、

 

できない自分を

責め続けること

 

なのかもしれません。

 

できない理由が見えてきた時、

 

人は少しだけ

自分に優しくなれることがあります。

 

そして、

その変化が

次の一歩に

つながることもあるのです。

 

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