「なぜあの人の一言が頭から離れないのか? 」
人は、
事実ではなく
「意味」に傷つくことがあります。
例えば、
職場で上司から
こんなことを言われたとします。
「もう少し考えてから発言してくれる?」
ただ、それだけです。
でも、
人によって受け取り方は全く違います。
ある人は、
「なるほど、次は気を付けよう。」
と思います。
一方で、
「自分はダメな人間なんだ。」
「能力がないと思われている。」
「嫌われたかもしれない。」
と何日も悩み続ける人もいます。
同じ言葉なのに、
なぜ違うのでしょうか。
実は私たちは、
出来事そのものではなく、
その出来事に付けた意味に反応しています。
心理学では当たり前の話ですが、
日常生活では意外と気づきません。
私たちは無意識のうちに、
「きっとこう思われている。」
「たぶん嫌われた。」
「絶対に失敗した。」
というストーリーを頭の中で作っています。
そして、
そのストーリーに苦しんでいるのです。
面白いことに、
相手に確認すると
全く違うことも珍しくありません。
「そんな意味で言ったんじゃないよ。」
と言われることもあります。
しかし、
人間の脳は不安になると、
最悪のシナリオを作るのが得意です。
これは弱いからではありません。
生き残るための本能です。
昔の人間は、
「もしかしたら危険かもしれない。」
と考えた人の方が
生存率が高かったからです。
だから私たちの脳は、
放っておくとネガティブな方向へ
想像を膨らませます。
ここで一つ試してほしいことがあります。
嫌なことがあった時、
「これは事実だろうか?」
「それとも自分の解釈だろうか?」
と自分に問いかけてみてください。
例えば、
事実
・上司に注意された。
解釈
・嫌われている。
・能力がないと思われた。
・評価が下がった。
このように分けてみるだけで、
心は少し軽くなります。
カウンセリングでも
よく行われる考え方ですが、
特別な技術ではありません。
私たちは普段、
自分の考えを事実だと思い込みがちです。
しかし、考えは考えです。
事実ではありません。
もし今、
誰かの言葉が
頭から離れず苦しんでいるなら、
一度立ち止まってみてください。
あなたを苦しめているのは、
その出来事でしょうか。
それとも、
その出来事に自分が付けた意味でしょうか。
その違いに気づくだけで、
見える景色は少し変わるかもしれません。
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公認心理師
津村健司

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